ソーシャルゲームの業界に身を置き13年ほどになります。
いわゆるソシャゲの黎明期から今に至るまで、開発現場で業界の動きを感じてきました。
今回は、今ソーシャルゲーム業界の現状についてお話をしたいと思います。
日本のソシャゲ業界は衰退している
日本のゲーム業界、特にソーシャルゲームの分野においては衰退の一途を辿っていると感じます。
大手も中堅も、制作コストに見合ったリターンを出すのが難しくなった、これが理由です。
大きく投資することもできないので、国内では新作を出す本数が減って勢いがなくなっていく。
今では、中国発のゲームに、日本が得意分野としていたジャンルで軒並みクオリティを超えられてしまっています。
もう8年くらい前のことになりますが、一時期は「中華ゲー」と揶揄された中国発のゲームは、「日本のゲームデザインをパクッた」と誰の目から見ても明らかな出来のゲームを多数リリースしていました。
日本でヒットした艦隊これくしょんと呼ばれる第二次世界大戦中の船を擬人化したゲームを模した模造品など、見るからに「低クオリティ」と感じられるゲームが多かったです。
潮目が変わったのが、アズールレーンが出たあたりから。いわゆるただの「パクリ」にはとどまらず、韓国・中国からクリエイターの商業美術のレベルの高さが相まったゲームが出てきました。
そこからは、イラストのクオリティにおいて日本を超える先進的なデザイン、日本的な美少女の文脈を捉えつつも高クオリティのゲームがリリースされ、国内でも人気を博しました。
一方、黎明期には多数の新作を発表していた国内も、似たジャンルのゲームの乱立、制作費の高騰、制作期間の長期化とコンシューマーゲームと大差ない開発費、開発期間に変化していき、それもリリースして売り上げが断たずに早期終了に追い込まれる、というループを繰り返していました。
高クオリティ、とされるゲームをつくれる会社もそう多くはありません。
クオリティが良いから売れるという図式も通用しなくなり、リリースして2か月も経たないうちに終了のお知らせが流れるようにゲームが多かった印象なのが2023~2024年頃の話です。
皆ガチャにお金を入れることに疲れた
同じようなゲームが出たことによって、ユーザーも徐々にゲーム自体に飽きが出てきたのも業界を衰退させた要因です。同じIPで新作が出ても「またか」という感覚が湧いたのではないでしょうか。この現象は飽きもありますが、一時期のガチャゲーム自体が異常なバブルだったような気もします。
新型コロナウイルスの影響で、ソーシャルゲーム業界は一時的に盛り返しました。2020~2023年は巣ごもり需要で、旅行などアウトドアに使えないお金がソーシャルゲームに流れた結果、衰退が一時的にとどまるような形になりました。
それも、今は状況が変わり観光業がまた復活してきています。
ソシャゲは、一部のユーザーの課金によって無料ユーザーも遊べる仕組みになっています。大規模のサーバー、運営費、その他もろもろを維持していくには定期的な売り上げが必要です。
そうなれば、課金を促すための施策が常に周り続けることになる。
それが5、6年も経てばユーザーにも変化が出てくるのは当然です。
日本発のソシャゲで今も上位のゲームはいくつかありますが、モンスト、パズドラ、FGOなどはソシャゲがゲームから【生活の一部】となった方たちが課金を続けていることで保たれているのだと思います。
【自分のアイデンティティ確立のために時間とお金を使う】という構造に変わっているゲームは今でも続いているはずです。
「このゲームをやってるのは自分らしいからだ」というアイデンティティがお金を使う理由になっています。
衰退している中でどう生きるか
ソシャゲは衰退の一途を辿っています。私はその渦中の中で生きているわけですが、「ソシャゲで生きる」ことから「エンターテインメントの中で生きる」道をもがいている最中です。
何も、ゲームはソシャゲだけではありません。私が業界で最初に携わったのはプレイステーション2のゲームでした。私にとっては、ゲームはコンシューマーゲームのことを指していました。
ソシャゲではない文脈でどうエンターテインメントを届けるのか。
AIも出てきた今、ソシャゲ業界は新たな岐路に立たされています。
で、私たちはどうするのか
では、個人におけるソシャゲ業界の【生存戦略】とは何なのか。
私は【1人でなんでもできるようになる】ことだと思っています。
上手くある必要はない。「自分だからこそ発信できる情報」というものを培うことが大事だと思っています。
人に伝わる絵が描けて、人に伝わる話し方が出来て、人に伝わる文章が書ける。人に伝わる企画をつくる。
これらを、実践を通して小さくていいから続けていく。最後の企画はあなたがやりたいことに置き換えてかまいません。
10~15年前は、専門性が重要視される時代でした。
【手に職】と言いましたが、それだけで食べていけるとされた時代です。
今は、プラスアルファが必要だと感じます。
Youtubeで趣味を発信できるイラストレーター。TikTokで踊るライター。Instagramで旅行時期を書くエンジニア。
自分のメインの職とは別に、発信方法を自ら続けて磨いている人たちはこの先人材として重宝されるはずです。それは【アンテナの感度が高いから】。
エンターテインメントはたくさんの人がいて成り立つ産業です。今の人たちが何に反応し、何を楽しむのか、それを肌感覚で感じている人たちの言葉には説得力が出ます。
上手くある必要はありません。続けていればある程度は上手くなります。そして、その「自分がAIを使う」からこそ、そこに独自性が生まれます。
AI自体は平均的なものを生み出しますが、例えば「有名人が産み出したAI生成物」には興味が湧いてくるものだと思います。どういう理論でAI生成がされたのか、興味が湧きませんか。
AIはあくまでツールです。人を動かすのはあくまで熱。自分が熱量を持って続けられる物を続けていくこと。
これからの業界を生き抜いていく小さなヒントになる、私はそう感じています。


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