2026年、ゲーム業界は大変な時代を迎えています。
特にソーシャルゲーム時代は、下降の一途を辿っています。それもそのはずで、近年は物価の高騰もあり「同じような生活」をしているだけで、費用が1.5倍はかかる時代です。
そんな時代、新たなゲームに課金する層は減ってきています。今は、昔からある人気タイトルがゆるやかに下降する中、新規タイトルはほぼ立ち上がれないところまできていると言ってよいでしょう。
本記事では、この10年でゲーム業界の職と、それによって今がどうなったのかをお話していきたいと思います。
「長期運用」というキャリアアップに逆行した罠
長期運用、これはゲーム会社にとってはとてもありがたい代物でした。
なぜなら「継続的な収入が見込めるスキーム」だからです。
それまでのゲームは、開発費と期間をかけて販売、売れたものの一部がパブリッシャー(出資元)、一部が開発会社、大体は最低の開発費をパブリッシャーからもらい、販売本数に応じてインセンティブが開発会社に入る仕組みでした。
ソフト1本いくらで売るゲームを買い切りのゲームと呼びますが(昨今はダウンロードコンテンツという後で買う方式もありますが、当時は1本買って終わりでした)、ゲームの開発は長い時間がかかります。当時、私がPS2の開発に携わっていた時で1年半というスパンでしたが、ハードウェアが進歩するにつれて、段々と長くなっていきました。
ファミコンが3か月で1本出す時代もあったとすると、今やPS5などでは5、6年かかっていてもおかしくありません。
それだけの時間をかけて売れなかったら。
会社が傾くのも当然の話です。
で、かたやソーシャルゲームはリリースした後は、毎月売上が立つ代物です。それも、年間通しての売上が買い切りのゲーム以上に相当するのなら、長く運営して儲けたいと思うのが企業の方針だと思います。
結果、ソーシャルゲームはそうやって多数の会社が参入し、規模を大きくしていきました。
ゲームクリエイターというキャリアはどうなったのか
では、そこでゲームクリエイターと呼ばれる職種の人たちは一体どうなったのか。
私が知る限り、「成長できたクリエイター」と「成長できなかったクリエイター」に二分したと思っています。
まず、「成長できたクリエイター」は黎明期に色々と携われたクリエイターです。
ソーシャルゲームにとって玉石混交な時代。
まさに様々なゲームが出来ていきました。そこでは昔のファミコンのように、短期間での開発、少ない予算でアイディアを出したもの、システムが破綻しているもの、色々と出てきました。
それを短い期間で色々と触れたからこそ養われた勘があります。
一方、成長できなかったクリエイターは「運用に飲み込まれたクリエイター」です。
同じタイトルを運営するスキーム上、1年のサイクルはほぼ決まっています。2年目は1年目の大体焼き直し。夏に水着を出し、冬にはクリスマス衣装を出す。
その繰り返しです。
会社としては、収益を出すことが出来ますが、個人のキャリアで見ると「同じことの繰り返し」にしかなりません。
そこに気付けて、2~3年で実績を積み、別なことを出来た人は伸びていけますが、そうでなかった場合はそのキャリアだけが積みあがるので、転職を考えた時に勝負できる実績が「長期運用経験」ということになります。
転職した先でも求められるのは「長期運用経験」なわけです。
それが自分の生き方にマッチしていれば給料も上げることができると思うので問題ないですが、自分のクリエイターキャリアが思い描いていないものだった場合、軌道修正がかなり難しくなります。
昔は、「2年スパンで違うことをやる」ようになっていました。それは一度つくったもので食い続けられないからです。シリーズを出して成功できたものもありますが、それも一握り。結局、システムの中身は変えたりしないといけない、などチャレンジな要素はありました。
今は、4~5年続くタイトルも、それ以上続くタイトルもある時代です。
特に10年に到達しているゲームは、まだまだこれからも残っていく可能性が高いです。当時では考えられなかったことですが、それはもう「ゲーム」というより「習慣」の一部なので、ユーザーにすれば「10年続けている自分」にお金を払っているような感覚なんだと思います。
今更やめる方が勿体ない感覚です。
今からのゲームがそこに到達することは困難です。
だから、AIなど新たなことに挑戦をしていく必要がある。
そこで、冒頭のタイトルに書いたキャリアの変貌とは「新しいことをやらないといけない時代に、中堅のベテランは同じことをやり続けた人たちである」
ということです。
これは、これからのゲーム業界を苦しくするようなことだと感じています。
ソーシャルゲームの盛り上がりは、こういった人材を多くつくり出したからです。
狙うは、個人で「つくりきった経験が沢山ある人」
これからの時代、クリエイティブで戦っていくには仕事外から知識や経験を得ることが必要だと感じます。
特に、個人で企画を考えて「つくりきった経験が沢山ある人」。失敗を沢山している人は、これからの時代に闘えていくと思います。昔もそうでしたが、今周囲のキャリアを見渡すと「決まり切った内容をどうこなすか」という経験で溢れていることを考えると、わからないことにどうアプローチしているのか、その実践経験がとても役立つからです。
AIに売れる方法を聞いたって、実際に売れるかはわかりません。AIは「再現性の低いあやふやな回答」を出すに過ぎない。それが確かかどうかは、やった人だけが語れる世界です。


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